短歌は馬車に乗って

スイートなエッセイです

東京日記8

雨が本降りになってきたのと時をほぼ同じくして寝ていて起きたら朝で晴れていた。「昨日の気分が嘘のように」とよく言うけれど、そんな感じでもある。そんな気分すら無かったようにも思う。いや実際は、見に行きたいライブイベントが下北であったんだけど、ホワイトアルバムイギリス版とアンダーグラウンド日本版の値がたいして付かず(千八百円)断念したので、具のないパスタをしこたま食べて不貞寝しました。シミだらけのホワイトアルバムはともかく、アンダーグラウンドの方は下北沢にも由緒の深そうな植草甚一氏が自筆で味な解説文を書いてる渋い一品だったんだけどなあ。買値も千円だったけど。

ともかく散歩チューニング。三宿手前の朝の栄養源ビワの実がそろそろ塀を登らんと取れなくなりそう。それはさすがに怪しいし悲しい。有り難く二粒いただき、ぼんやり中目黒まで行って不動産屋の物件情報を見たり。おおむね高い。

代沢に戻って米を炊きに入れて風呂に入って今度は下北の街の方へ。北沢二丁目のファミマでハイランドバナナなるバナナを所望。朝飯。これが異常にデカくて美味くて、ややはまっている。金曜日は二十円引きになる。ワイハイを頂く口実にもなる。こちらのソトで物件検索。なんとなく太子堂縛りで探したらいい物件があった。宝塚記念当たらんかな。

宝塚記念が行われる阪神内回り二千二百メートルは伏魔殿コースで、前評判の高い東京とか阪神の外回りで良く走るいわばフツーの人気馬が軒並み飛ぶので面白い。距離自体がビミョーなのと、開催が遅めで梅雨どきというのもあり馬場も荒れがち。故に配当も荒れがち。しかも珍しくフルゲート出走。有馬記念で勝っているとはいえ、そもそも東京とかのスピード競馬が得意そうなエフフォーリアには鬼門だと思われる。なにせゴールドシップが大得意だったレースだ。

メンツ自体はけっこう豪華で、その他にも天皇賞を勝ったタイトルホルダー、二着のディープボンド、ドバイターフで勝ったパンサラッサ、歳とってだんだん強くなるステイフーリッシュ、こちらもドバイで好走した快速中距離馬ヒシイグアスなどいろいろおって難解だが、どれもたいしてピンと来ない。

令和のツインターボと言われている快速逃げ馬パンサラッサは出走するだけで面白くなる。それに円熟期。とはいえ距離がビミョーに長い。潰れる。

で、これまた逃げて強いタイトルホルダーは距離大短縮だし、父親ドゥラメンテは同レースでパンクした。パンサラッサにぜんぜんついていけず、他にも前に行きたい馬が多い。二番手もとれないかも。届かないか、バテる。

こちらも前目に行きたいステイフーリッシュもパンサラッサのペースで頑張りすぎてバテる。

どの位置を取るか読めないエフフォーリアも横山武がスタート良すぎる可能性が高いのと馬場が合わない予測を兼ねて、伸びない。

ディープボンドも距離短縮が合わない。届かない。

ヒシイグアスは距離が微妙に長いかもだがダミアン・レーン騎乗✖️堀厩舎でままあ怖いところがあるが…

案外に面白いのはディープインパクト産駒ぽくないディープインパクト産駒のポタジェで、この馬が前崩れの展開の七、八番手からじわじわ伸びて気がついたら頭が出ているかも。大阪杯とは条件が違うけれど、中途半端な距離が合ってそうなキャラクターに見えるし、大阪杯勝ったわりにはさほど人気しなさそう。単勝十二倍くらいはつくんじゃないか。それに今回は、八丁堀のご飯屋ポタジェの女将がこの馬の存在に気付いて、どうやら初めて賭けるらしい。

こういう馬券ビギナーはその純心でもってまじで結果を引き寄せたりするから、それはそれで恐い。そんな女将の一念を応援もしたい。これに乗らず賭けずでもし万一来たら悔やまれる。こちらとしては心理的にまあまあむずい。

とはいえこちらの期待の大穴は前走全前走大敗、人気ゲキ落ちくんで、仮に内枠を取った際のウインマリリン(牝馬)だ。個人的な思い入れが強すぎるのがどうか、だが、ともかく今回は単勝なら六十倍はゆうに超えるだろう。下手したら万券。同じスクリーンヒーロー産駒のゴールドアクターは同レースで激走(たしか二着だったが)した。阪神不得意のイメージが世間的にはあるだろうが、私のイメージ的には条件、ここが絶対いちばん合う。どうだろう。重馬場はけっこうやっぱり苦手なんか?教えて!今、君、調子はええんか?あんたとポタジェなんかで決まった日には夢の三茶暮らしだよ!騎乗はカジノ好きの松岡、五、六番手からがんばって!

いや、たまにはアホみたいに荒れるG Iレースが見たいし取りたいが、そもそも賭け金をどうやって得るかが問題ではある。

四千五百円はどうにか欲しいな。できたらもっと欲しいな。

そういえばアフリカンゴールドという謎の多い大穴馬もいるな。