短歌は馬車に乗って

スイートなエッセイです

ソカイ日記3

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ダロンド

4月3日

快晴にともない散歩に出掛ける。

川沿いの桜はほぼ満開。人通りは疎ら。眼鏡が曇っているせいもあって少し視界がくすんでいて余計天界みたいにみえる。

街まで歩いてダロンドに似ているカフェのマスターに会いに来た。あいかわらず淡々としているが、以前はツアリストの多いところなので暇そう。まばらな往来は目もくれずに通り過ぎていく。

オールドオーソドックスジャズなマイルスが流れていて贅沢な空気をラッパの音がつんざいて、あの世感を助長する。

生きながらあの世を感じれるということもなかなか得難い。

普段というのが感じにくくなり、浄化されているような気がしないでもない。

実際、ヴェネツィアなどは観光客がいなくなり川がたいそうきれいになっているらしいとマスターが言う。

経営たいへんだろうに大局的にものをみている素晴らしさよ。

薄れた現実感が素敵な現実にフィードバックされたらいいな、とか思ったり。