短歌は馬車に乗って

スイートなエッセイです

ソカイ日記5

f:id:kon-fu:20200410215738j:image4月10日

ソカイして一週間が経った。

何もかんがえず人目を忍ぶのが目的だったというか、ようするに目的が無かったので益々ヒマになって欲の処しどころがない。

朝からアフリカの女王を観、ペペロンチーノを三人前食べて寝転がり、風呂でタバコを吸いながら細雪を声に出して読んで古都の桜に想いをはせている。

「櫛田さん、今日はすっぽかしらしいで」

と云っていると、十一時ちょっと前になって、自動車の停まる音がした。

「黄疸や、これは。間違いなし」

「昨日ビフテキの大きいのん食べましてん」

「それが原因ですな。御馳走の食べ過ぎや。

 蜆汁を毎日飲むといいですな」

関西弁のリハビリ。退廃に対する惜しみない献身。

夜になってひさびさにアニーホールのウディアレンを観ていたらNを思い出している。陸の孤島東京はどんなかんじだろうか。