短歌は馬車に乗って

スイートなエッセイです

モンク帽8

STAR FRUITS SURF RIDER

STAR FRUITS SURF RIDER

自分にしては珍しく形而上っぽいこと書いて気に入っていたのだけど誤ってぶっ飛んで消えてしまった本章をどうしようか考え書きあぐね数日が過ぎ、八つ当たりのように回文をツイッターにあげていたらキチガイが暇持て余してんなと思われたかもしれないが余計なお世話かもしれないやっぱり回文づくりは楽しいので暇を捏造してでも励行したいと思っている。
それに不思議なことがあるもので東京に来たばかりに戯れに【快感魔、御徒町カオマンガイか】という回文が出来た後、神保町で腹を空かせてふらふら歩いていたらたまたまヴェトナム人がたち働くカオマンガイ屋を見つけて、まぁ御徒町ではないんだけど、そこのカオマンガイが安くて旨くて米もジャスミンライスで至福なくせにそんなに混んでなくて丸で快感魔のように五日ほど通い詰めながら、今までカオマンガイなんぞに執着なんぞしたことないのになぁ、と不思議に思っていたところ、上記の回文を自ら拵えていたいたことを思い出してびっくりしてしまった。
これはなんというか、回文を作ってるようで回文に作られてハメられてる感覚、当たるも八卦当たらぬも八卦とはよく言ったものだけれど、この感覚は自分のなかでかなり当たっているように思え、それはそれでけっこう怖ええなぁ、というのも本来の目的が回文自体を何とかして拵える!てことだったわけなので、その中身は面白ければ意味があろうがなかろうがたいして面白くなかろうがアンモラルだろうがなんでもござれって気勢でいたところに実際の現象や行動に影響を与えてしまうってなったら、、下手な回文作れねぇな。まぁ作るんだけど、ラジオ体操くらいの負荷のエクササイズにしよう、と。そういわけなので春で躁で壊れているな、と白眼視なさらず、ツイッターと同期したので読んでさわって囃し立ててください。ほぼ毎日カキ続けようと思てますんで~
ほんでこれまた昨日、
という回文をうっかり拵えてしまったばかりに、この歳になったらあんまりやらない完徹をする羽目に陥っていて、バイトの後、現在家なしなのでどこぞへいこうかなぁと案じながら入った新宿三丁目の終日営業の喫茶店華族ヴァレンチノ」で一服していたら、いつのまにか始発の方が近い時間になっていて電車で新宿を右往左往しながら今に至るところ午前八時前である。
ただ僕もただの阿呆ではないつもりというか、黒魔術あれば白魔術ありというか、
といった回文が現出すれば、まぁ中南海はただの胡散臭い(漢方エキス配合とか)中国タバコなんだけども、歌舞伎町の終日やってるスーパー銭湯テルマー湯に沈没する以外ないような気になってもくる。深夜料金は十二間利用でおよそ四千円と僕にとってはいささかおハイソでお高いスパ施設ではあるにしても歌舞伎町の不動産屋の飲食店のテナント情報をちらほら伺うと、かなり大雑把に1000000とか2000000とか3000000とか、十万単位のお金は紙くずと言わんばかりの家賃設定なので、そんな街のど真ん中の風呂だし至極穏当な料金に思える、それに朝九時からは約二千円で使えるのだ。ほんでもってぎりぎりのところで桜花賞が当たって僅かながら現金があるのである。
なにかあれば沈没せよ、という啓示に違いない。
ここの浴場の中南海みたいな香りの胡散臭いハーブを蒸らした塩スチームサウナで東京らしいからっかぜで乾燥した肌を潤わせ、ぬるい強炭酸泉で身も心も一旦ふにゃふにゃになり、極めつけに露天の寝転がれる伊豆から汲み取ってきたらしい温泉で頭を休めれば、無駄の骨頂でしかありえない回文づくりでやつしたアフォオツムもからっぽになり、深夜に至る厨房バイトもなんとかかんとか無心で乗り切れるはずである。
Drifter

Drifter

  • KIRINJI
  • J-Pop
  • ¥250
バイトあがりに本店にタイムカードを打ちに行くと一階のフロアではたいてい大貫妙子の都会が流れていて、これは店の宴のたけなわ則ち、その一日のクライマックスを意味しているフロアマスターの寅さんはぐにゃぐにゃになって踊っている#その日暮らしはやめて 家へ帰ろう一緒に
やっぱりどうしても僕にはあてつけのように感じられてしまって結局無理を言って飲ませてもらう僕はそもそもココで呑むのが大大大好きだったみたいで、働くことになった契機はそこに尽きるのだけれど、勤務二日目からはや上がりに楽しく飲ませてもらっていたらあまり知らないスタッフのヒンシュクを買っていたみたいで後に指導役の兄さんから告げ口を受けてしまったので、今は常に周りの機嫌を伺いながら粛々としている、しかし明日はオフなので、それも今日は店長がオフなので、ひときわ特に終盤はくだけている酔っぱらいの寅さんに言い寄って。都会はプラスティックラブに切り替わって寅さんのつくってくれたデュワーズソーダはほとんどデュワーズですぐベロベロになっていたらいつのまにかフロアは薄暗くなっていて、寅さんとエロい女がスクラッチ対決をしているエロい女はスチャダラパーをぶったぎって青葉市子をふっかけてムードは彼女色に染まる以外ない。
「ほんじちゃんコレ好き?」と寅さんが聞く「好きすよ」「俺も好きっちゃ好きやけど、このメンヘラプリンセス、メンプリがいきなり泣き出すし」「もう、だからなんなの」「おまえ最初きたときはめちゃめちゃ良かったのに、二回目が、は?ていうくらいブスやったから、ブスって言ったら泣くやろ、どうせぇっちゅうねん」「だからなんなの?好きなんでしょ?」「は?だからそういう思考回路がメンプリやいうてんねん」
コトバを差し挟む余地がないので、ぼんやりタバコをふかしながら「ウチの店にもおったなぁBGMを聴かずぶったぎる、そういう点においてだけ腹立たしい女が」と想っていた、よかれと思ってプリンスかけたら「それちゃうねん」ジャパンかけても「惜しいけどそれちゃうねん」てなんやねんほんまにどっちでもええけどあいつ元気かな、ところで、今、喫茶ハイボールは夜のバータイムで、昼間と何が違うかというとまず昼間は物が置いてあって席としては使われていないカウンターが座れるようになっていて、正午はエレカシが流れているのが夜はキリンジだったりするのだけれど、おひとりさまの客はたいていイチゴジュースを頼んでいてケータイで撮っている感じは昼夜特にかわらない。今もカウンターには誰も座っていないけれど、さしあたり思い当たるこの店のいいところはエイリアンズがいきなりかからずアルバム通してかけているところなんだなぁ。
外では平成の終わりの決定打みたいな冷たい春の雨が、気持ち良さそうに降っている。
そもそも今回の「モンク帽8」は、これは全然形而上の話ではないのだけれど、巨人に移籍して背番号8を受け継いだ元カープの丸選手について語ろうと思っていたわけで、が、その辺はどうやら流れてしまいそうなので次回に期待し、彼を全面的に支持する、所存である。