短歌は馬車に乗って

スイートなエッセイです

【連作そのいち】へいせいのさいごタバコの買い占めとヤニでつやだし公用車かな

Hey Man Nice Shot

Hey Man Nice Shot

  • フィルター
  • ロック
  • ¥250
秋めいてきて健康のためにバイトをはじめる決意をし大嫌いな履歴書を書いて行き当たりばったりの椅子がぐるぐるまわる更衣室撮影機に入ったらみみっちい話八百円もぼったくられるご時世になっていてその不快な余韻が残る間もなく今日の昼間を迎えバイトのさぼり先を北区のハイライトに求めた。
腹もへっていた。
ハイライトとは京都の裏鬼門のごとく点在する昔なじみのハイブリッド定食屋でどの店舗でも基本メニューは同じで白眉はやはりジャンボチキンカツ定食とにかくでかくて安い確か六百円切りで自分をふくめた小鬼のようなシフォン社会弱者が吸い込まれて食いはじめに菩薩の接吻のような陶酔を、食後に確実すぎる無力感をもたらしてくれる。
暴力的な安さと質(なんだかんだいってかなりうまい)は相変わらずこの時節に値段すえおき、そのやばさたいがいながらさらにやばいのはそのハイライト北店のよこに「わからん」という定食屋がやけくそみたいに構えていて本日の定食は五百五十円のチキンカツだった。
面倒なのはここからである。
ぼくが文章において有象無象に伝えたいのはファンタジーでもあるといえばあるがしかしどっちかというとたんなる事実とそれにまつわる必然性と安っぽい驚きでしかないわけ。なんだけどもなんか昨日その職場の講習会があって、主にコンプライアンスとプライバシーについての主任の男性による柔らかい口調の説法で、要約するとですな、コンプライアンスとは法令遵守と直訳されますがこれは個人個人が社会的なルールに背くと組織とか社会において大きな損害が出ますから、でも強制とかしてるニュアンスではなくてあくまで個人個人の責任なんですから想像力つかってすべからく守ってくださいねー、たとえばプライバシーの問題でもありますがsns等でウチの会社の悪評が内部から拡散されたりしますと、それが事実無根であろうとなかろうと評判が広がるのは一瞬ですから多大な損益を被ることもウチも業務委託やってるサービス業ですから容易に考えられるわけです、そうですよね、場合によってはその小さな行為が犯罪にもなるわけです。
だから会社の悪口はやめてくださいねー。
職務においてもちょっとしたひとりの気のゆるみで簡単に会社はつぶれます。実際にうちの一番業績のある支社で誤投函がありまして、個人情報が他者に知られるわけですから事は重大です、××市では発覚すれば○カ月入札に参加できない条例がありまして損益はそのバイトさん一生かかってもまかなえないでしょうねぇ。
そんなわけでみなさん職務に誇りをもってコンプライアンスを心がけプライバシーを守って働いてくださいって。
どうかんがえても誇りを感じるような職務じゃないんですけど、、って返すパートのおばさんはいるわけもなく、小学生のときの道徳の授業を思い出したわたしは今更ながらいまのかいしゃってヤベーって思ったそれってミスしても責任取らないからくそ真面目に働いてくださいねこっちが押し付けがましいわけじゃないです社会の決まりなんですからってことで、でも誤投函するよそりゃのまず食わずで働いたら、しかも特に最近のマンションの住人とかプライバシーの問題を危惧してかどうだかわかんないけどだいたい玄関に名前書いてないし、働き手はその日のノルマに負われて必死だし(そのにに続く、、)